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我々の研究チームは、2008年に世界で初めて体外で活性化させた髄核細胞を用いて、椎間板を再生させる細胞療法の臨床試験を行いました。そして現在は、他人の椎間板から取り出した髄核細胞を培養して増やし、腰痛の患者さんの椎間板へ移植するというさらに進んだ技術を研究してます。
この新しい治療法は手術によって体に傷をつけることなく、椎間板の変性疾患を治すことができる可能性があると期待がされています。この治療の臨床治験を2019年に行うことを目指し、1日でも早く腰痛に悩まれる患者さんにこの治療を届けられるよう、これからも日夜研究に励み努力を続けて参ります。
現在、世の中には多彩な保存療法が存在してますが、根治的な治療法がないのが実情です。
また、手術療法を行った場合は、症状のある部位を医療用ねじで固定してしまうため、時間が経つと固定した隣の部位に同じような変性疾患が生じてしまう可能性があります。
本研究が従来の治療法と大きく違うところは、椎間板を「再生」させる、つまり悪くなる前の状態にもどしてあげる治療法となることです。今までの保存療法のような対処療法ではなく、手術をしない根治療法となる可能性が高いのです。
さらにこの新しい治療法の特徴は、特許を取得している基礎技術をもちいて椎間板の細胞をとり出すことで、再生能力の高い細胞を選択して取り出すことが可能となります。
髄核細胞を取り出すための椎間板の組織からは、ほんのわずかしか髄核細胞が収集できないという問題点があります。しかし、本研究は組織を培養して増やす方法にも取り組んでおり、培養にかかるコストをできる限り削減し、低コストで産業化を行えるよう努力しています。
日本医療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Development)を略してAMED「エーメド」と称されます。国の方針に基づき、優れた医療研究開発について基礎研究から実用化までを総合的に推進。研究開発およびその環境の整備や助成等、中核的な役割を担う機関として平成27年4月に設立されました。
オールジャパンでの医薬品創出プロジェクトや再生医療実現プロジェクト、ジャパン・キャンサーリサーチ・プロジェクトや難病克服プロジェクトなど、医療の基礎研究の成果を臨床研究や実用化につなげるとともに、世界最高水準の医療サービスの実現および健康長寿社会を目指した事業が行われています。